なぜITブログで「サバ」なのか。それは、輸入スキームを知れば最高のサバが選べるようになるからだ。35歳で情シスになった私が、一社目の水産商社時代に学んだ「失敗しないサバ選び」の極意を徹底解説する。
1. 導入:なぜITブログで「サバ」を語るのか
35歳で未経験から情シスになった私だが、一社目は水産商社でサバ(サバの三枚おろし、)を販売するチームに所属していた。ちなみに当時の会社全体の売上の内、6割がサバだった気がする。
一口にサバといっても4種類あり、マサバ、ゴマサバ、タイヘイヨウサバ、ノルウェーサバ(タイセイヨウサバ)が存在する。当時の会社ではノルウェーサバを取り扱っていた。
サバを販売しつつ、自分でもサバを食べ続けた経験から、サバを焼きで食べるなら、このノルウェーサバが最強のサバだと確信している。
こじつけの様に聞こえるかもしれないが、「良いサバを選ぶこと」と「良いシステムを選定すること」には、似ている点がある。
物理的な「輸入スキーム(仕組み)」を知れば、スーパーでの買い方が変わる。
なんでもかんでも「国産が一番」といった国産信仰を掲げている人は特にこの記事を見て欲しい。
2. ノルウェー産サバという「完成されたマネージドサービス」

国産サバの現状
国産のサバは個体差が激しく、脂の乗りが季節や漁場に依存する。それが国産の面白いところでもあるのだが、スーパーレアな国産の美味しいサバなんてめったに出会えないし、高い。まるでガチャである。
ノルウェー産の凄み
ノルウェーでは漁獲時期・サイズ・脂質含有量がデータで徹底管理されている。何をいっているか分からないと思うがマジである。
ノルウェーは水産資源保護にめちゃくちゃ力を入れている。IT×水産のモデルケースである。
ノルウェーでは船ごとにサバを取ってよい数が割り当てられる(船ごとに設定される漁獲枠はIQと呼ばれ、国が割り当てている)。乱獲を防ぎ水産資源を守るための制約なのだが、これのおかげで漁船には大きいサバだけを最高の状態で保存できるシステムと機器が設けられている。
具体的には、高性能の魚群探知機で魚体の平均的な大きさや密度を感知したり、巻き網漁時に小型サバを逃がすような仕組みがあるので、乱獲することはない。また水揚げ時に小型サバが紛れ込んでも、魚体が元気であれば放流してもよいといったルールも整備されている。船に水揚げしたらサイズ選別を自動で行い、冷却された海水貯水タンクに保管される。これによって最高のサバだけが船に積まれるのである。
このように最高のサバが水揚げされたら、その原料はコンテナ単位で売買される。原料は冷凍保管し必要な時に必要な分だけ三枚おろしにして日本に持ってくる。つまり、誰がいつ買っても「期待通りの品質」が届く。これこそがノルウェー産の圧倒的な強み。
サバの種類
サバ呼ばれる魚は4種類存在する。
タイセイヨウサバがノルウェーサバと呼んでいるものであり、脂の乗りがダントツでよい。塩焼きで食べると最高である。
| 和名 | 学名 | 背面の模様 | 腹面の特徴 | 主な生息地 | 備考 |
| マサバ | Scomber japonicus | 唐草状の複雑な模様 | 無地の銀白色 | 日本近海、太平洋、東シナ海 | 日本で最も一般的。「本サバ」とも呼ばれる。 |
| ゴマサバ | Scomber australasicus | 唐草状(マサバより細かい) | 黒いゴマ状の斑点がある | 太平洋、インド洋の比較的暖かい海域 | マサバより脂質が少なく、身に弾力がある。 |
| タイセイヨウサバ | Scomber scombrus | くっきりした横縞(ゼブラ柄) | 無地の銀白色 | 北大西洋(ノルウェー、英国など) | ノルウェーサバの正体。浮き袋を持たないのが最大の特徴。 |
| タイセイヨウゴマサバ | Scomber colias | 虫食い状の模様 | 斑点がある | 大西洋、地中海の温帯・亜熱帯域 | ゴマサバに似た大西洋版。日本市場にはほぼ流通しない。 |
タイセイヨウサバはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった「オメガ3系不飽和脂肪酸」の含有量が、魚類の中でもトップクラスである。これは冷たい海でも脂が凍らないようにサラサラした脂を蓄えようとするからである。この脂が最高なのだ。焼くだけで脂が滴りおち、まるでナイアガラのようである。マジでうまい。
3. 【実録】会社が回していた輸入スキームの裏側

ノルウェーで「ラウンド(丸ごと)」買い
脂の乗った最高ロットをバルクで確保。その年によって大きさのトレンドが異なる。ラウンドを国内の加工会社にコンテナ単位で売買するケースもある。
中国へ「オフショア」加工
コストと品質のバランスを最適化するための戦略的デプロイ。中国の加工場のレベルはかなり高い。衛生面で不安に思う人もいるようだが、有名どころの加工会社は全く問題ない。しかも安い。
ここで、ダンボールにサバの箱詰めを行う。5kgに何枚入れるかでサイズ分けを行う。5kg\35尾がメインどころなイメージである。
日本へ「インポート」
日本に輸入されたサバは冷凍倉庫に保管され、市場(例えば豊洲など)を経由してスーパーに陳列される。
三枚おろしに加工されたサバを長期間冷凍保存しておくと、皮に脂が黄色くにじみ出てきてしまうので、なるべく早く販売することが大切だった。
4. 情シスが教える「失敗しないサバ選び」のチェックリスト

- 産地を見る: 「ノルウェー産」とあれば、それは安定稼働の証。
- 見た目の「スペック」を確認: 皮の模様を見ればタイセイヨウサバかどうかを判断できる。
- 結論: 迷ったら「仕様が統一されている」ノルウェー産を選べば、食卓のSLA(サービスレベル合意)は守られる。
5. まとめ:ビジネスも食卓も「仕組み」がすべて
ITの世界も水産の世界も、良質なアウトプットには良質な「スキーム(仕組み)」が必要だ。さらに突っ込むと、国産にこだわり過ぎると本当に良いものを見失う可能性がある。人から聞いたことを鵜呑みにするのではなく、自分で調べて納得したものを導入したいものだ。
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